2017.10.23

どんな遠くの園でも行かなければ「待機児童」にならない?

保活において、自分の住んでいるところは、どうなっているのか。
まず皆さんが気にされるのが「待機児童数」だと思います。

この待機児童数、「読み方に注意」と様々な記事やサイトなどで説明されていますが、注意するポイントとしては3つあります。
(1)待機児童と扱う基準(定義)の取捨選択が自治体に委ねられている
(2)あくまで実数である
(3)さらに、各基準の細かい適用範囲が、自治体ごとにかなり差異がある
です。

この記事で、これまであまり気づかれていなかった要注意点は(3)ですが、上から順にご説明します。

まず、(1)について。
いわゆる、2016年4月時点で「隠れ待機児童数」は約6万7000人に上ると試算されています。
隠れ待機児童とは、現状の待機児童から除外されている
1. 保護者が育休中の場合
2. 特定の保育所のみを希望している
3. 求職活動をしていない
4. 自治体が独自補助する認可外施設を利用している
などの方を指します。

現在は、自治体の6割が育休中の方をカウントから除外しており、昨年度には育休を理由に待機児童にカウントされなかった人数は、7,000人を超えています。
厚生労働省は、2017年3月末にこの考え方の見直し案をまとめ、2018年度から、1.のうち、保育園が見つかれば復職の意思がある方については待機児童にカウントするようになるとのこと。

また、(2)について。
私も常々、競争率の目安として利用する場合には、
「実数なので、その市区町村の母数(就学前児童人口)や面積を考慮する必要があります」
「大きさではなく比率で見ましょう」
とセミナーなどでお伝えしていますが、それでも、元データの作成基準が市区町村ごとにバラバラであるため、比較の指標として見る際に、あくまで目安にしかならないのが実情です。

そして、(3)について。
基準が同じであれば、同じように比較できるかと言えば、そうではありません。
例えば、上記の隠れ待機児童の定義2. の「特定の保育所のみ希望」という定義も、自治体によってかなり差があります。

例えば東京都のA区とB区。どちらも2. の「特定の保育所のみ希望」はカウントから除外しています。
しかし細かく聞くと大きな違いが。

A区では、「希望園を1つしか書いていない場合のみ」、待機児童のカウントから外すとしています。

一方、隣接するB区。
この区は、待機児童数では長年優等生で、トップクラスを走り続けています。
ところが、詳細に聞いてみると、「希望園を枠いっぱいまで書いて、すべて落ちても、更に”区内のどの保育園でも空いていたら入る”という宣言をしておかないと待機児童にカウントしない」という扱いになっています。
厚生労働省の資料では、通える園を「立地条件が登園するのに無理がない。 (例えば、通常の交通手段により、 自宅から20~30分未満で登園が可能など)」としているので、”区内全域の保育園を希望しないなら待機じゃないよね”、とは驚きです。

待機児童数には、こんなカラクリがあり、限界があります。
やはり、実際の競争状況を知るには、自治体の情報をしっかり集めていく必要がありますね。