【中野区新区長】酒井直人区長と保育園問題について意見交換

平成30年6月10日に投開票が行われた東京都中野区の区長選挙で、新たな「顔」となられた酒井直人区長とご面会の機会をいただきました。

酒井区長は、長く中野区の職員としてご勤務された経験を生かし、区民の声に耳を傾けた区政を進めることを公約として選挙戦を勝ち抜きました。23区の首長選挙で、新人が現職を破り当選するのは過去4例目、とのことで、大変まれなケースであり、その分、区民からの高い支持と期待を託されているのだと思われます。

さらに、首長選挙の投票率は、年々じわじわと下がり続けている中、前回(平成26年6月8日)の投票率29.49%に対し、今回は、34.45%と5%近く上昇したということも、近隣自治体には驚きを持って受け止められています。

今回の面会は、区長が中野区職員でいらっしゃった時期にお世話になったご縁から実現しましたが、中野区民の保護者の方のほか、「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」メンバーの方にも同席いただき、今後の待機児童対策等における区の方針についてお伺いして参りました。

※「めざす会」では、今回の中野区長選挙をはじめ、今年の多くの首長選挙で「#子育て政策聞いてみた」というキャンペーンを実施しており、中野区長選でも候補者全員の回答と、年齢階層別の投票者数・投票率から「どのぐらいの人が投票に行けば子育て世代以下の声を自治体に反映できるのか」を試算したグラフを示し、SNSやWebサイトを通じて、投票を呼び掛ける活動をしています。

区長とのやりとりの要旨は以下。

現在区民から署名も出されている「区立保育園の民営化」については、「区立の保育園は、一定程度残した上で、私立園の支援や地域を支える役割など、今後も公の施設として大切な役割を担ってもらう。もちろん、私立園にも素晴らしい園はあるので、お互いに学び合いながらやってもらうことになる」とのこと。

また、公園などに緊急的に作られた区立認可外保育室を中心として、地域的にニーズと供給がミスマッチとなっている状況については「残念な状況」とし、前提として、きちんと数字に基づいて政策を決めることが大切で、実践としては、担当の職員数を増やして、候補物件を探し、地域を説得して作って行くなど、地道なことを一つ一つやっていくしかないとのことでした。

保育の質の確保については、弊法人代表より「都内では、ハコを作ってもそこで働く職員がいないのが最も問題だと言われている。処遇だけではなく、働き続けにくい労働環境という状況も保育士のなり手が少ないことの原因と考えられるが、そこへの打ち手は?」との質問をさせていただいたところ、酒井区長からは「職員配置にしても、現状、研修に行けないぐらいになっているので、せめてそれができるレベルにはしなければならない。現場の声をしっかり聴きながら、対応していきたい」と、現場に耳を傾けてしっかりとニーズを把握しそれを政策に反映する、という区長の方針が表れたご回答をいただきました。

中野区は保育園のページに待機児童の状況を公表していない(教育委員会などとても深い場所にあります)ことなど、区民の方から、”保活についての適切な情報がわかりづらい”というお話も、弊法人の保活アドバイザーに届いています。

今後、こうした情報公開などを初め、中野区の子育て環境についてウォッチしていきたいと思います。