待機児童のカウント方法バラバラ問題への対応について

平成29年に改訂された厚生労働省の「待機児童調査要領」が平成30年度から全自治体で
適用となります。
これで、全自治体横並びで、保育園への入りやすさなどが比較できるようになる、、と
はさにあらず、あくまでもガイドラインのため、自治体の裁量で如何様にもできてしまう
とのこと。

というわけで、以下のような入園決定結果(落選率44%)であっても、「数字上は」待機児童ゼロの自治体があるのです。


※東京都某区資料より

行政が出す統計データは、国民の財産です。
今では、保育園を探している保護者においては、子育てと仕事を両立しやすい町はどこなのか?と、引っ越しを含めて検討されるケースも多くなっていますが、そのときに多くの方が参考にするデータは、待機児童数でしょう。

それが、自治体を横並びで比較可能なものになっていない、ミスリードさせかねない資料になっているのはとても残念なことです。

「保育園に入りやすい自治体だ。」と思い込み、間違って引っ越してしまう方が出てきかねませんし、実際は受け皿が足りない自治体に、さらに大量に人が流入しては、もとの住民まで保育園に入れなくなってしまいます。
実際に、待機児童ゼロの町へ引っ越ししたにもかかわらず、希望園すべてに落ちて自宅から遠い園を自治体に案内された挙句、身体を壊して自治体の中でもう一度引っ越しされたり、自治体の外にまたお引越しされる方もいると聞きます。

当法人へのお問い合わせでは、客観的かつ信頼できる情報が欲しいとご相談を受けることがとても多いですが、私達は待機児童数だけではなく、独自の分析など、できる限り多面的な要素を踏まえて、情報提供させていただくようにしています。

また、自治体担当者へのヒアリング、議会関係者・保育事業者の皆様などとの直接の情報・意見交換をさせていただくことも大切にしています。
こうした一次情報を得て、「本当のところどうなのか」そして「今後どうなるのか」を、統計のトリックに惑わされず押さえることにより、的確なアドバイスができるものと考えております。