2020.10.10

続報「居宅外・居宅内労働の選考指数差異のなぜ?」

今年の3月に「居宅外・居宅内労働の選考指数差異のなぜ?」と題したブログを公開したところ、ありがたいことに、こちらのブログをご覧下さったマスメディアや議員の方々から、「これはどこの自治体か?」、「その後どうなった?」、というお問い合わせをいただいております。

これも、新型コロナウイルスの影響で、これまで一部の自営業の方やIT・専門職などで柔軟な働き方が認められる会社にお勤めの方のみが利用できるという、単なる「マイノリティの事情だろ」で片づけられがちだった「在宅勤務」という働き方が、職業や契約形態・性別・年代関係なく、多くの方が直面・体験する働き方になったことが大きいと思います。

前回のブログの時点では、東京23区のうち4区が、主に働く場所が「居宅外か」「居宅内か」で、保育園に申し込む際の点差を付けていましたので、各4区の入園調整の担当課に、

①平成29年の内閣府・厚労省の通知では「 居宅内での労働と居宅外での労働について、一律に点数に差異を設けることは望ましくなく、(中略) 個々の保護者の就労状況を十分に把握した上で判断すべきであること。 」とされている。
②上述の通知を踏まえつつ、現状においても、貴区において上記のような「居宅外」「居宅内」に扱いの差異を残しておられる、合理的な理由はどのようなものであるのか、教えていただきたい。

というポイントで、問い合わせをさせていただきました。

さらに、A区についてはやや踏み込んで「こういう風に現在の基準を改訂してはどうか」という提案も併せてさせていただきました。

最初の反応として、ほぼすべての自治体が、
・国の通知は理解しているので、居宅内の方も「個別の事情を踏まえて」対応している
・ご意見をいただいたので、今後検討していきたい
とのことでご回答いただきました。

これでゼロ回答かと思っていたのですが、、、

A区では、1か月半ぐらいご回答までに時間はかかりましたが、担当課の課長から直接、「来年度の入園調整から、居宅内外の点数差をなくす」という回答をいただきました!(まだ新年度の案内が公表されていませんが)

B区では、地元の議員の方が動いてくださり課題認識はいただいたものの、しばらく前向きなご回答はいただけなかったのですが、9月になり「来年度の入園調整から、居宅内外の点数差をなくす」と決定。その後公表された、来年度の入園案内では、実際に点差のない指数表が掲載されています。

残り2つの区については、来年度に向けての改訂がどうなるか、現時点では不明ですが、引き続きウォッチしていきたいと思います。

今年はコロナ禍で、多くの方がやむを得ず在宅勤務をせざるを得ない状況になった上、さらに、保育園・幼稚園、学校・学童も原則休みや自粛になりました。

自宅で子どもの相手をし、食事を作り・片づけ、オンライン会議やパソコンでの作業をしながら仕事の成果も出さなければならない、というプレッシャーを体験した方々なら、居宅内労働なら「入園の指数が低くてよい」つまり保育の必要性は低いとしてよい、という論理は合理性がないと理解していただけるのではないでしょうか。

また、子どもの教育の面からみても、保護者が十分に時間を取れず片手間に子どもの「相手をする」よりは、専門性を持った保育者のもと、友達と一緒に社会性を身に着けられる機会にアクセスできる権利は、平等に確保されるべきだと思います。

今回は、入園に関することでしたが、仮に入園できたとしても、いまだに「在宅勤務の日は、保育園・学童利用を自粛するように」と通知されている自治体があり、そのため、在宅勤務でよいのに無理に出勤しているという声も届いておりますので、そうした状況が改善されるよう、働きかけをしていきたいと考えています。