今年の4月1日時点の全国の区市町村別の待機児童数(厚労省集計)が、9月7日に発表されました。
例年の発表は9月1日頃なので、それに比べると少し遅めの発表でした。
保活をされている方にとっては、一日でも早く、最新の情報を持って活動をしたいと思いますが、今年から全国的に待機児童のカウント方法が統一された(といっても、あくまで”ガイドライン”であるため、独自基準でのカウント方法が未だに続いている自治体もあります)影響などで、集計に時間がかかったとも考えられます。
そのデータから、今回は特に、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)について、傾向を見てみました。
平成28年~30年度の待機児童数の推移を見てみると、潤沢な財政力を生かした様々な待機児童対策を打ってきた東京都の減少が、他の3県に比べると際立っており、昨年に比べ区部で2,313人、市町村部で859人、全体では3,172人減り、5,414人になっています。
他県を見てみると、千葉県も今年に入って減少している一方、神奈川県・埼玉県は待機児童数は増えてしまいました。
ただ、千葉県も一進一退ですから、まだ手綱を緩めるほど楽観できる状況ではないと思われます。
こうして見てみると、東京都は一見、全体として待機児童が減っているような印象がありますが、自治体間では格差があるようです。
このグラフは、直近5年間の未就学児童数の伸び率と、待機児童比率をプロットしたものです。
普通に考えれば、未就学児童数の伸びが大きい自治体では、待機児童比率も悪いのではないか?と思いますが、そのような相関は(パッと見だけでも)見られません。
当法人では、待機児童等のデータの推移と共に、自治体の待機児童対策への取り組みの本気度を、直接お話を伺うなどして継続的にウォッチしていますが、保育園の入りやすさを左右する要因は、子どもの増加ペース如何によらず、各自治体の区長・市長の「言い訳せずに実行する」姿勢や、保育整備課の力量により、需要に見合う供給をできたかどうかにかかっていると考えています。
また、上記でも書いたように、待機児童のカウント方法は「隠れ待機児童」の扱いによって、大きくぶれてしまいます。このため、正しい情報の読み解きには、「集計基準はどうなっているのか」等、表面上の数値によって判断を見誤らないような情報武装が必要です。
当法人の保活アドバイザリーサービスでは、転居・転勤先での保活をご検討をされているお客様に対して、自治体別の統計データ分析と定性的な評価を行う<調査・分析サービス>をご提供しています。
「隠れ待機児童」や「認可外施設」も含めた分析など、統計数値の裏にあるロジックも読み解きながら、お客様により実態に即した情報提供ができるよう、常に分析方法の改善に努めています。